スタジオボイスとRO69のももってちゃんレポについて

その昔、鹿っぺ率いるロキノンジャパンを崇拝しており、書店で見つけては立ち読みにふけこむ(たまには買ったよ!)田舎の女子高生だったので、なんだか今回のRO69のももってちゃんレポにがっかりしてしまった。


あれ、ロキノンてこんなに「いわゆるロック」にしか興味ない媒体だったっけか?と。もっといろんなことをそれっぽい口調で語れるカルチャー誌みたいな属性持ってなかったっけ?ていうかこんなタイミングでももクロに興味ないの?と。


RO69のももってちゃんレポ


http://ro69.jp/live/detail/48395


やっぱすごい。

今宵の“あるてぃめっとれいざー”はももクロの直後だっただけに、ロックが、あるいはパンクが初めて鳴らされた時のように、いつにも増して神聖かまってちゃんというバンドの持つ正確な姿かたちを浮き彫りにしていたように思った。


「ロックが、あるいはパンクが初めて鳴らされたときのように」なんて言い回しがさすがですなぁ…。
「乾いた祝祭の空間の中で、ロックが、あるいはパンクが初めて鳴らされたときのような雄叫びを夏菜子が上げた。『ここにいる全員手を挙げさせてやるよ!』と」
とかつかってもよかっただろうに。



そしてまぁ、同じく高校生のころ、ロキノンジャパンと同じ書棚に入ってたので(わけがわからないながらも)よく立ち読みしてたスタジオボイススタジオボイスが最近ももクロ推しだって風の噂で聞いたけどこっちのレポートのほうがだいぶ大人で、思っていたことのほとんどがそこに書かれてた。


スタジオボイスのももってちゃんレポ

http://www.studiovoice.jp/?p=5871


そうか、かまってちゃんはただロックの初期衝動で突き動かされる後ろ向き青春バンドなんかじゃなくてリスナーに対してある意味すごくセンシティブなのか。よくわかんないけど。



音楽を聞くのに言葉はいらんなーと思い初めてから音楽雑誌なんて一切見るのやめて、もはやジャンルなんて垣根はばかみたいだなぁと大学が終わる頃にいろいろと考えたことで自分の今があって。で、まだロキノンは全国のロックな少年少女たちのために「かまってちゃんはももクロちゃんには刺激が強すぎたのかな?」なんて言ってるのを見て、なんだか高校時代に尊敬していた先生がだいぶ年取っておっさんになって教え方がヘタになったのを目の当たりにしたような一抹の悲しさを覚えた。


音楽を産業としてとらえたときにも、もうロックはロックだけでやればいいってもんじゃない。頭のいいリスナー、悪いリスナーの区別なんてのもそのうち必要なくなる。マッシュアップこそが時代を更新していく気がしてる。


ちなみに前にスタジオボイスがっつり世代のサブカル畑の人に「なんでももクロっていうアイドルばっかりサブカルの畑に連れてこられるんでしょうね?」って聞かれて、うまく答えられなくて、違う人が「Perfumeのブレイクした延長線上にももクロがいるからじゃないですか?」って言ってその場はおさまったけど、ただ、ももクロは今後Perfumeみたいに「おれはアイドルを好きになったんじゃない、Perfumeを好きになったんだ」みたいなファンは産まないと思う。


ていうか、これからの産業の時代に「リスナー」なんて冷たい言い方はなくなるのかもしれない。簡単にボタンを押せば「好き」といえる時代なんだから「ファン」でいいと思う。つまり、みんななにかのファンになりたいし、商品も「ファン」の存在を心待ちにしているんじゃないんだろうか。




(なんて、これが中森明夫のいう、ロキノンに投稿される自分語り入ったアイドル論作文なんだろうな)