アイドルと魔法少女と平和について
・ななりは絶賛まどかマギカに大ハマり中であるが、ズボラが祟って8話以降しか見ていない。しかし、正直最終回の展開は二の次だ。設定だけでもうお腹いっぱいである。
・この前しやがれで嵐が「果てない空」をスーツ姿で歌った
・現在、スマップ様が生放送で「いま僕達に何ができるだろう」と言っている
・id:ariyoshiさんのブログのこの記事に、山田にすごく感動した。
http://d.hatena.ne.jp/ariyoshi/20110319/1300481920
アイドルという肩書きはとても儚いと思います。紙っぺらみたいに薄くて、吹けば飛ぶようなものです。彼らが平和について直接的に語る必要はないと思います。なぜならアイドルは平和な時にしか存在できないからです。彼ら自身が平和の象徴だから、アイドルは平和について語る必要はないんです。
以上の内容から妄想を交えたアイドルと平和についてアイドル狂いが語ります。
その前にまどマギ=アイドルという自分の中の図式をまとめます。いま、非常にまどマギ設定を応用したアイドル観という「妄想」が自分の中で激アツです。
以下、私が認識している限りのまどマギの設定を列挙。
・魔法少女になることは、自分の命を危険に晒す戦いに身を投じるリスクを背負うこと。ただし、何か自分が望むことをひとつ叶えられるので、少女たちは自分の願いと引換えに、または誰かを守るために、魔法少女になることを選ぶ。
・魔法少女は魔法を発動させるために自分の中の魂(ソウルジェムという)を濁らせ、それが完全に濁ると魔女という怪物になってしまう
魔法少女たちはそんな怪物たちと戦う。
・しかし、魔法少女が存在する本当の目的は、彼女たちが本当の絶望を経験するためにある。
魔法少女が絶望し、魔女となるときの膨大なエネルギーが宇宙の寿命をのばすエネルギーとなるから。
魔法少女は破滅へと向かうしかないが、それは長い目で見れば宇宙全体にとっての「善き犠牲」となる。
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魔法少女になるには「キュウべえ」という宇宙人との契約が必要。キュウべえが最強の魔法少女候補のまどかにかわいく言い放った言葉。
「この宇宙のために死んでくれる気になったらいつでも声をかけて。待ってるからね」
これってアイドルじゃん!!!
としか思えませんでした。
さぁ以下、妄想。
第10話までは見たので、例えばまどか=あかりんと考えたときに、「アイドルにわたしは向いていなかった…」と泣くあかりんを助けるために時間をどんどんさかのぼるほむほむは誰になるのか、とか。やまぐちりこは、じゃあ魔女なのか?魔法少女なのか?とかいろいろ、いろいろ女子アイドルにたとえて考えるべき妄想もたくさんあるのですが、今回はジャニーズに例えてみます。
■ジャニーさんというキュウべぇによって見出された魔法少女候補生をジュニアと称します。
■デビューという契約を交わして、候補生は「魔法少女」として魔女と戦うことになります。
■魔法少女の発動させる魔法は「笑顔」です。
■「笑顔」を発動させるたびに、魔女を倒すという達成感を得ながらも、影ではいろいろと悲惨な目に会うので、彼らはソウルジェムを濁らせてゆきます。
■ただしソウルジェムを濁らせて魔女になるときに、怪物になるものもいれば、怪物にならずに魔法少女よりも上級の「魔女」になるものも現れる。
思春期の揺らぐ心をすべて笑顔にして、テレビの前のみんなを幸せにすることだけを自分の糧として、内情では体も心もボロボロにしていく(かどうかはわからんけどアイドルとは相当ストレスフルな仕事なことはわかる)、という意味で山田涼介はやはり最高の魔法使いだと思います。id:ariyoshi さんのこのエントリーを見て思いました。
http://d.hatena.ne.jp/ariyoshi/20110319
さて、ここから少しまどマギの世界から離れてしまいますが…
id:ariyoshiさんによれば平和なときにしかアイドルは存在しえないから、アイドル自身が平和についてああだこうだと語ることはない、アイドルは平和の象徴として笑顔を振りまくことで、闇に包まれそうな日本を懸命に救ってる。それは最高の魔法少女である山田くんのすべき最高の魔法の使い方です。たぶん彼のソウルジェムは強靭で、濁りにくいのかもしれません。いや、濁りと戦いながらも笑顔を振りまいているのかもしれません。
そんな中で嵐が神妙な面持ちで「果てない空」を歌いました。平和に対してああだこうだということはなく。ただメッセージを伝えるために。
「何度でもやり直そう」「何度でも立ち上がれる」
このメッセージは確かにいま、一番必要なメッセージ。「果てない空」はフリーターが家を買うために生まれた曲だけど、今の日本には確かに必要でした。
この時点で、笑顔を見せなかった彼らはもう魔法少女ではなく、魔女になりかけているのかもしれないと思った。
そして、さきほどスマップが生放送で「いまわたしたちにできること」をやった。被災地ではなく、都会に住む人々の小さな声を拾い、「節電しよう」「デマに惑わされないようにしよう」「被災地に思いを馳せよう」とか、べつにテレビで言うことじゃないじゃん、と言われても仕方がない、「そこらへんの人たちがまっとうなことを言っている」それ以上でも以下でもない番組だったと思う。
平和の象徴であるアイドルは平和という概念にすら向きあってはいけない、ただ笑顔を振りまくのが彼らの仕事であるのだとすれば、間違いなくスマップは魔法少女ではないだろう、魔女だ。でも、それは彼らが魔法少女から魔女という怪物になったのではなく、日本を救う魔女として進化した姿なのだなと思いました。
でも、さっきのスマップの生放送はACの「いま、わたしたちにできること」よりも何倍も意味があることだったと、私は信じたいです。こんなに買いだめするなと言ったって、スーパーから品物は消えていくばっかりで、街には活気がない首都圏。買いだめしないこと、節電すること、弱気になっている人に声をかけること、当たり前のことだけど、わたしはかつて魔法少女だったスマップがテレビでそれを真剣に言うだけで、ACのテレビCMよりも多くの人にきちんと届いたのではないかと思います。魔女はそのためにいるんだから。
そして、最後にスマップは「がんばりましょう」を歌った。嵐にもこれをやって欲しかった!!
あまりに軽すぎる「がんばりましょう」の日常的なメッセージは普遍的すぎて、あの日最強の魔法少女だったスマップを呼び起こさせた。この曲で元気づけられた人はきっと日本全国どこにでもいるはずだ。魔法少女だった頃の魔力を引き継いで、スマップは魔女になった、平和をああだこうだと真顔で言える魔女に。
嵐も、果てない空じゃなくて「きっと、大丈夫」くらい歌って欲しかったなぁ。そんなに売れてなかったからかなぁ…。それがちょっと悲しかった。少なくとも個人的に私は「きっと、大丈夫」で救われたときがなんどもあったよ。
■追記
ちなみにジャニーズをまどマギ設定に移植すると、バレーユニ=4年に一度、破滅へのレールに載せられて魔法少女として送り込まれる選ばれた人間たち、っていう個人的に割と楽しい妄想にもなるんだけど、これは、まぁあとでどっかで飲み会とかしたときにべらべらしゃべる程度の妄想です。バレーユニが破滅に向かうか、彼らのソウルジェムを濁らせずによい魔女へ進化することができるのか、が10年かけて見守るジャニヲタの楽しみです。