ことら☆を読んで旦那のぱすぽ☆に対する金遣いを一応認めてみる

さきほどのエントリの勢いにのってもうひとつ、最近よんだ本の話。こっちはさらっとしか読んでないので細かいことを突っ込まれたらぐうの音も出ません。


マーケティング3.0とは、従来の企業がブランドを作り上げ、企業が製品を消費者に売り込んでいくだけの商売ではなく、企業が精神的に消費者を充足させるよう企業活動を行い、さらにはブランディングの役割を消費者に渡し、社会に貢献してゆくこと。というのが私がかなりざっくりと理解した以下の本の要約。


コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則


この本に書いてあるのは、商売の手法というよりも、今後企業のミッションはどうあるべきか、という内容で、実はマーケッターよりも起業する人こそが読むべき本なんじゃないかなと思いました。で、そんなことよりぱすぽ☆です。


少女飛行

少女飛行


マーケティング3.0とは「協働マーケティング」「文化的マーケティング」「スピリチュアルマーケティング」という3つの要素で成り立っていて、そのうちの「協働マーケティング」という部分は、何よりもAKB以降の女性アイドルが優秀なまでに実践してるなぁと思う。to 消費者 ではなく with 消費者 という感覚。ぱすぽ☆はここ最近の最たる例なんじゃないかなと思いました。


というのも、下記の点が顕著だからです。


・ファンがアイドルの広告塔たりえている

・ファンがアイドル(運営側)と台頭な関係性にあり、ファンによってアイドルがブランディングされていく

・アイドルにお金を出すことがファンの幸せにつながっている



TwitterアカウントとUstreamの運用、そして頻繁な無料ライブでソーシャルグラフに働きかける。「知人が好きになっているあのアイドル」ということで人々はぱすぽ☆を知って、現場にいって好きになって、そして自分もまたtwitterなどでの発言によってぱすぽ☆を広めてゆくことになる。


握手会で名前を覚えるのは当たり前。スタッフがファンと顔見知りになり、ファンの意見を直接的に反映させる。FKDとヲタがライブの特典レギュレーションを相談していた(少女飛行発売前のUDX)のはすごいなぁと思いました。ファンが支えるのがぱすぽ、ファンが作るのがぱすぽぱすぽ現場にいったときに運営とファンの内輪感をひしひしと感じましたが、ブランディングが消費者の手に渡っているとはああいうことなのだと思います。

それから、ぱすぽの内輪的なノリはヲタとアイドルがオリコン1位という目標を共有していくためのうまい土壌だと思いました。オリコン1位という目標を「自分ごと」にしたヲタはCDを買うことで「自分の目標を達成する」精神的な充足を得るのだから、コトラーのいう「スピリチュアルマーケティング」の部分も満たしているのではないかと思います。


ぱすぽ☆オリコン1位をとったことについては、少ないヲタたちに多くの出費を強いてかりそめの1位をとっても、今後消費者が疲弊してマーケットが縮小していくんじゃないかという批判もあったけど、やはりそれも違うな、と思います。


だって、30枚買ってやっと一回プレミアムライブに行けるのではないのです。1枚買えばそれだけで握手できる。1枚買えばある程度は恩恵を受けられる。それ以上の恩恵を受けたければ、もう少しお金を払ってくださいという仕組みです。お金を出すか出さないかは消費者の判断に基づいている仕組み。CDの販売手法なんて、例えばアルバムの通常盤と初回盤を買うと(合計6,000円程度)やっとプレミアムライブに入れますとか、抽選でシークレットライブにご招待(当てたければ10枚以上買えという遠まわしのメッセージ)とかアイドルに限らずザラにあるので、それらに比べたら良心的なシステムです。

たぶん、CDを買うこと=アイドルを応援することという図が成り立ったとき、さらにそれが小口からでも可能なのであれば、ヲタは疲弊することはないでしょう。「今回は特別だよ」ってちょっと無理してCDを買った人たちはせっせとそのCD、友達に配ってるので、その友達があらたなおさいふとなってぱすぽにお金を落としてくれるんですから。



ただし、こうした商法によって日本の若年層が自分の身の丈に合わない多額の出費をしており、若年層の貧困化が顕著になっている…ということになれば話は別。この商売は社会的に淘汰されなければいけない。マーケティング3.0の理論上でいけば、社会によい影響をもたらさない企業活動は淘汰される運命にあるから。けれど、実際はそんな数値出てないので、日本の経済を活性化させているという意味では社会的によいことなのかもしれません…。


でも世間の感情的にアイドルに大金をつぎ込むこと=未成熟な大人となっていることは確か。まぁ確かにアイドルを応援することが目に見えて生産的かといったらそうでもないし、直接的に社会問題を解決する糸口にはまったくなってないので、ここにコトラーの理論を援用するのはいけないのかもしれないけど。


あと少女飛行のオリコン1位が肯定されることだったとしても、今後消費者が疲弊しないように新しく消費者を増やしていくには、また違った努力が必要でしょう。



まぁ一応は養護の視点をもってみたけど、やはり結婚式の貯金をないがしろにするのはだめ…。