今いるここがBeautiful World

なんだかんだ言ってやっぱりおあらし様が好きですので、意気揚々とフラゲしました。


Beautiful World【初回プレス仕様】

Beautiful World【初回プレス仕様】


以下、感想を。





Beautiful Worldというタイトルが震災以降の日本に向けてつくられたものだという話をどこかで聞きました。暗く先が見えないこの状況の中で、「Beatiful World」として世界を愛し、肯定していくことで復興へのエネルギーにできれば、という意味だったと思います。


アイドルは魔法使いじゃないので残念ながら世界を救うことはできません。が、ただそこにいるだけでそれが希望の象徴だと思います。


むやみにがんばれとか前を向いて歩いて行こうというメッセージが厳しい現実の前に無力になって、陳腐化されていく一方の世の中で、ただ自分たちの見ているこの世界を足元から肯定していこう、という嵐のメッセージは、嵐にしか出来ないし、楽曲からも説得力があるメッセージだと思いました。だから、結論としてはこのアルバム、好き。


なんだかんだで日本のエンタメ業界のトップに嵐は立っているわけです。そこから見える風景がどんなものなのか、知りたくてもはぐらかされてしまったような気がしたのが前作で、今回はやっとそのトップに立っているものが持てる余裕のある楽曲群だなぁと思いました。冒険に走るわけでもないし、かといって停滞するわけでもなく、今いる立ち位置のバージョンアップ。


私が好きだった嵐はトップを目指して攻めてくイメージで、それがCOOL&SOULとかRe(mark)ableだったのですが、その「好きだった嵐」がいまだに嵐として今度はトップの位置に在り続けているというのが今回のアルバムでわかった。そして嵐が自分の足元をごまかすことなく肯定したことが、このBeatiful Worldのメッセージそのものになっているなと思います。


さっきも書きましたけど、いやマジで今回って冒険してないよね。いつもメンバーソロが衝撃作ばっかだったのですが、今回メンバーソロで「うわこれやっべぇぇぇぇ」みたいに覚えてるやつがないw だけど頭3曲の流れが最高。必死さなし、Rock thisの余裕綽々に世界を鼻で笑う王様アイドル感。R&Bよりもロックのほうがこういう人を食ったような感じが出るね。


で、まだ見ぬ世界へはPVからしてA・RA・SHIの2011年時点での振り返りですよね。


あの日の僕らの声がする to the top  未来が動き出す


to the topって言って駆け抜けてきて登りつめ、次はまだ見ぬ世界へ進んでいこうとする。


っていう嵐特有のよくわからない使命背負い系ソングが続いたあとにLove Rainbowですよ王道月9ソング。この多幸感はトップアイドルだからこそです。


その他全体として、甘いアイドルソングも湿っぽいバラードも入れることなくすっきりと大人っぽい曲でまとめられてるところがすごくよかったです。もう最大公約数を狙うことすらしなくてもよくなったんだなぁって。ゴリゴリのR&Bに寄ることもせず、ずば抜けておしゃれなエレクトロ曲を入れることもせず、奇抜なテーマの曲も入れず、アルバム全体として曲数の多さを退屈せずに聴けるこのまとまりってすごいと思う。


その他ですが
個人的には二宮ソロでまたギター弾きながら酔いしれるにもみやさんに担当として幸福な絶叫の瞬間と鳥肌を味わうことになるのが楽しみだったり…
てぃー!えー!びー!おーおおおおおおう!だったさっくんが一転してほんわかアラサーのかわいさを出しているのがもう、こ憎たらしい愛しさですね。


あと、なんか聴いててアニソンにしたらいいよ、と思える曲が多いですよね。それは前からそうだったかもしれないけど。何かとてつもない使命を背負って生きているような感覚がするサビメロ多いよね。アニソン詳しくないですけど。最近「かえして!ニーソックス」と、あとタイバニに狂って「オリオンをなぞる」ばっかりリピってる。



最初は主題歌がユニゾンだなんてことには申し訳ないことにまったく興味がなかったのですが、タイバニにはまることに並行して、オリオンをなぞるが自分の中で鉄板曲と化してきました。で、通勤時この1曲しか聞いてないくらいにオリオンをなぞりまくって思ったんですけど、いいアニソンて歌詞とか、または曲展開とかサビメロ、何らかの形で物語が見えるよね。なんかそういう意味でまだ見ぬ世界もalwaysもLotusも遠くまでも聴いてるとアニメが見えるんだよ…。ごめん嵐はずっとここ最近この傾向にあったかもしれないけど。


次のアルバムはガッチガチに冒険して欲しいなー。