健人くんが英語がすきだっていうから

「Idols and Celebrity in Japanese Media Culture」というアイドルに関する研究発表のシンポジウムがあり、観覧無料だったので行ってきました。

http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/en/event_detail.php?id=1402

全部英語だったので前提としている話はわかるんだけど結論にあまり追いつけなかったです。残念。
大学時代にジャニヲタではなかったのでアイドルをネタにした研究発表に触れるのはこれが割と初めてかもしれません。

英語がわかる友達がいたのでその人から聞いた内容もふくめ以下ざっくりメモ。
以下の3つしか聞いてません。


・Johnny's Idols as Icon: Female Desires to Fantasize and Consume Male Idol Images

松本美香さんのジャニヲタとしての姿勢「オカン目線」というのを取り上げていたような。あとは木村拓哉を例に挙げて、ジャニーズのタレントは年をとっても結婚しても少年性を保持し続けているという話だった気がします。
全然英語が聞き取れず内容についていけなかったのが正直なところで、あとで友達に聞いたら「グループ化」することによって恋愛対象の異性の人間としてジャニーズアイドルを見るのではなく、「作品」としてジャニヲタは見ている、というようなことを言っていた…らしいです。アイドルの参照元は嵐が多かったです。


・Through a Looking Glass Darkly: Television Advertising, Idols and the Making of Fan Audiences

日本の広告にアイドルが起用されることについての発表なのですがこれもアイドルの参照元が嵐ばかりでした。この発表は3つの中でも一番まとまっていてわかりやすかった気がします。

日本のCMは15秒という制約があるため、商品を知ってもらうというよりは印象づけることが第一になってくる。そしてテレビの視聴は女性のほうが多く行っているので、男性のアイドルを起用したCMが多い。そのCMの例として取り上げられたのが、嵐がみんなでやってるWiiのCMや、JALのCM、二宮の日清オイリオ。CMはまるでバラエティ番組のように「素っぽい嵐」が登場する。嵐担に受ける文脈を含んだCMで、嵐担は15秒の中でわずかに出てくる智の小さな表情の変化や松本の仕草を褒め称え、それをブログやソーシャルメディアで発信する。すると、テレビで観ていたときに気づけなかった微妙な表情や仕草を見たいという人が企業サイトへアクセスする。企業サイトではそんな人達のために嵐のCMメイキングや壁紙が用意されているが、そこでCMで使われた料理のレシピなど企業が本当にアピールしたい製品の魅力を示すコンテンツも用意されているので、嵐へのロイヤリティが製品へのロイヤリティになっていく構造になっている。というような内容だったかなと思います。

発表中に言及されていたかどうかは正直いうと曖昧ですが、確かに嵐のCMってそれ自体が嵐担の中の文脈を利用して作られていることが多いなと思ってます。auのCMや、前にやってたC-1000のみんなで智の風呂を沸かして智だけが風呂に入るCMも、うまく嵐のキャラを活かしてる。ヲタ文脈を取り入れることでヲタがCMを広めるメディアの役割になるというのは納得しました。


・From Boys Next Door to Boys' Love: Gender Performance in Japanese Male Idol Media

これもアイドルの参照元が嵐だけでした。

嵐は「家庭的である」「男性同士でいちゃいちゃスキンシップをとる」「かわいい、幼い」という新しい男性性を提示している。男性同士でいちゃいちゃスキンシップをとることでBL妄想の対象にされるような新しい男性性を獲得し、さらにそれで女性とのスキャンダルから己のアイドル性を守っている…という内容だったかなと思います。

大宮SKの写真が出たあとににのちゃんのまさみとのスキャンダル記事が映しだされ、なんだか笑ってしまいました。まぁ確かに大宮がステージの上のリアルとしてヲタに提示されてると、まさみと付き合ってる話がウソに聞こえてきても仕方ないよね…と。事実、私も二宮の女ネタはいつも現実感を伴わないまま聞いていたものです。

「アイドル同士が男性同士でいちゃいちゃすることに合理的な理由がある。それはのちのち出てくる女性スキャンダルをファンの前で無効化させて己のアイドル性を維持するためだ」って笑っちゃったけど確かにそうなのかもしれない…。この話はラジオで「なんでメンバー同士でいちゃいちゃするときゃーって言うんですか?わけがわかりません」って話してた中丸くんに教えてあげたいです。

あと「家庭的」「いちゃいちゃ」っていうのは割とアイドル雑誌の企画のキーワードになってる気がするので、やはりそういう男性像がオルタナティブなものとして女性側に好まれるのはここ最近の傾向なんでしょうね。

こっから派生して3年間くらいのドル誌の企画洗いだして今求められる男性像はこうですーっていう卒論が書けそうだな…と思いました。のでジャニヲタで卒論やりたい人はここらへんネタにするとよいのかもね…。


ってここまでまとめといてちょいちょい出てくるキーワードとなる単語の意味がいまだにわからないままなので発表とずれてたらごめんなさい。本は出るらしいのでそれを待ちたいですね。(たぶんそれも英語だけど…)