すべての幻想を引き受けて、革命は止まらない

SexyZoneファーストコンサートが。ついに始まってしまいました。
東京国際フォーラムでは11日1〜3部、12日は3部のみ入ってきました。


ついに解き放たれてしまったな…と思いました。アイドルとしての存在感の強さを先輩の背後からこれでもかと見せつけてくれた子たちが、ついに誰かの背中に守られることなくステージにその身ひとつむきだしで立つ時が来てしまった。この日ずっと待ちわびていました。

終わってみれば想像の斜め上を行くコンサートでした。先輩ユニの名曲をこれでもかと持ってきたり、健人くんのピアノでふうまくんが歯ブラシ歌ってみたり、ふまけんコーナーにすべて稀代のシンメであるキンキ曲をぶち込んできたり。挙句は「ファンのみなさんが僕達の恋人です」という決めセリフとともに少年隊の星屑のスパンコールを歌う10代の男の子たちがいるステージ。まぶしすぎて直視できないよ。
1時間半という時間の短さもあったのかもしれないけど、息をつく間もない隙がない構成で一日の3公演は正直あっという間でした。コンサートって、ほとんどは「まぁ…しょうがないよね」と自分の頭の中の理想のコンサートの姿から少しそれていることを笑ってうやむやにして、むしろそのズレの部分を楽しむようなわびさびがあった気がするのですが、セクゾンファーストコンに関しては、自分が想像してもいなかったような理想型を突きつけられて、こちらが笑ってうやむやにする隙を与えてくれないものでした。怖いです。こんなコンサートを初めてでやってのけちゃうセクゾンちゃんが本当に怖い。

また、11日に入ったときに目についた粗も12日にはすっきり改善していたりと、子供の恐ろしい成長の速さを目の当たりにした機会でもありました。

…まぁ、今までジャニヲタやってきてかつてないほど盲目的になっているので盛大に贔屓目が入っていると思いますが、本当に言葉が追いつかないくらい素晴らしいコンサートでした。

以下たたみます。


■菊池くんについて

コンサートでまずびっくりしたのが菊池くんのポテンシャルの高さでした。歌えば高2にしては完成されすぎた色気のある声がでるし、煽りも一番勢いあるし様になってる。MCも率先して空気を作るし、笑わせることもできる。まだまだ「ぷまってる」と形容されがちな少年特有の荒削り感とか、勢いに任せただけで空回りしてる部分もあるけど、それらを差し引いても風磨くんはステージの上の人として十分輝いてました。

健人くんがファンに対して「みんなが僕の恋人です」と、まるで自らファンタジーの人間になろうとするときに、いつも隣には過剰なまでの男子高生のリアルを引っさげた風磨くんがいました。だけど、風磨くんが終わりの挨拶のときに

「僕たちはここにいます。だからみんなが辛い時、行き詰ってしまったときには思い出してください」(ニュアンス)

と言ったときは、あぁ、この人もやっぱり伝説の中の人になるんだな…と思いました。私は風磨くんの向こう側にすけてみえるあったかい家庭とか、友達たくさんの学校生活とか、通学電車の中とか、文化祭とかそうした様々なひとりの男子高生としてのリアルを愛でていたのですが、風磨くんはそんな場所よりも「ここ」ステージに生きてることを私に突きつけてくれました。ステージの上にいて、ファンのみんなが辛くなったらそれを救える存在、そんな象徴的なものになろうと身を投じてしまったんだなと思って震えました。


■健人くんについて

そうして風磨くんの活躍ばかり目で追ってしまった1日目は、風磨くんの隣にいると健人くんて頼りないかも…と考えてしまいました。風磨くんに比べたら歌声は細いし伸びないし、ダンスも比較してしまえばすごく上手なわけでもない。

一番、健人くんの存在感の弱さを象徴的に感じたのは、1日目に見たGAME冒頭の風磨くんとの小芝居でした。風磨くんは1日目3公演ともアドリブを入れてきたのですが、健人くんはアドリブを大きく入れることもなく、ほぼ同じセリフで演技をしていた気がします。風磨の冒険心と比較して健人くんはなぁ…と思いながら見た2日目の3部で、それは杞憂だと思い知らされました。

健人くんが「勝負しようぜ」と言って始まる小芝居で、風磨くんがとぼけて「…俺?」と返します。その次のセリフで健人くんがトランプで勝負を持ちかけている旨を話す流れだったと思いますが、3部の風磨くんは「俺と?」とすっとぼけたあとに「トランプで勝負するんだな」(ニュアンス)と自らトランプの話を出してしまいました。健人くんのほうにトランプのセリフがなくなると健人くんは何をしゃべるんだろう…と思ったら、今まで「GAME、スタート」で終わらせていたセリフを「お前には負けるわけにはいかないんだよ」とアドリブで締めくくっていました。そして、曲が始まってから風磨くんがそれに対して「面白いこと言ってくれるじゃねーか」とまたアドリブを返します。

正直、1部と2部入ってないのでセリフ変更があったかわからず、アドリブじゃなかったらすみません。が、「GAME、スタート」ではないセリフを締めにもってきて、さらに「お前には負けるわけにはいかない」っていう風磨くんへのリアルなライバル意識ともとれる絶妙なセリフ選んだ健人くんの圧倒的なアイドルとしての美しさは!見ていて涙が出てきました。風磨くんの「面白いこと言ってくれるじゃねーか」も健人くんのリアルなライバル意識が透けて見えたセリフへの応酬だと考えるなら、セリフっていう虚構の裏側に本人たちのリアルを滲ませてくるこの感じ。ヲタ冥利につきるすごいステージを見ているなと思います。

本当に、本当に本当に、やっぱり健人くんはかっこいいなぁってこの一言に尽きます。ファンサマシーンをやりつつも会場全体に気を配って煽っていたところとか。カメラに抜かれた場面で、今までステージを射ぬくような鋭い視線で見ていたのにある公演だけわざと客席から目線をはずして流し目を見せつけてきたりとか。

あと何より健人くんに度肝を抜かれたのは「If you wana dance」で聞いたきれいな裏声でした。健人くんの声ってあの年にしてはちょっと高めで細くて女の子っぽいところがあって、それは力をこめて歌いあげる部分で弱々しく響いてしまう欠点を抱えていると思います。風磨くんと歌ってるとどうしてもその欠点に意識が行ってしまってたのだけど、イフワナの裏声を聞いたときに、健人くんの声がその声であることによって誰にも負けない武器になっていることを発見して鳥肌が立ちました。健人くんより歌がうまい人はたくさんいるけど、こんなに色気がある裏声出せるのは早々いない。これがとても嬉しかったです。

■イフワナの衝撃

で、そんな嬉しい発見をさせてくれたイフワナ。もう!素晴らしすぎて!早くも2012年の楽曲大賞で1位投票するべき曲が見つかってしまいましたがどうしましょうか。

最初はKAT-TUNのカバーだと思ってました。だけど曲の終盤になって誰も楽しそうに乗ってないことに気づき「あれ?」と思ったのです。こんなにいい曲のカバーだったら何人かは絶対ノリノリで聞いててもいいはず。そのときにやっと浮かんだ「これはもしかして、セクゾンのためのオリジナル曲…」という考えに冗談じゃなく震えました。

だってまさかこんなに大人っぽいダンスナンバーをセクゾンがこのキャリアでもらえるなんて全っ然思ってなかったですよ。常々、癖のように女子流とセクゾンを比べて考えてしまう私は、いつかセクゾンも女子流みたいに大人っぽいかっこいい曲歌えるといいねー…こうやって大人のオモチャのように音楽で遊んでもらえるといいねー…でもまだまだ早いよね、あはは…って諦めてました。それがまさかファーストコンで実現するなんて!

この曲の美しさと色気は紛れもなく、たたみかけるような裏声から来ていると思うのだけど、この裏声の美しさはとっくに夜の世界を知ってしまった二十歳以上の男の子には出せない、未成年の危うさから来ている。背伸びして、大人の色気を借りてまとっているわけではなくて、子供特有の色気を使うことを知ってしまった感。まだ夜も知らない子供が美しくセクシーに夜の世界を歌い上げるっていうこの構造がなんともいえないスリルをはらんで、この曲に他の先輩ユニにはない唯一無二のセクゾンの色を与えている気がしました。

そうそうこんなアイドル待ってたよ…。早くもっと、この子たち、いろんな人に知ってほしいなと心の底から願った一曲でした。

■その他

他にも、今思いだしても心拍数上がるような細かい出来事がたくさんあったのですが、その一部だけでも自分用メモのために記録しておきます。


・健人くんのモルダウ
 →ちょっと弾いてみてよ、っていって弾いた曲がこれかい!っていう。うんうんいつも弾きなれてるんだね…。ふつうこういうときってみんな知ってる曲弾くんじゃないのかなと思ったけどピアノならってる17歳男子のリアルが垣間見られる選曲でなんかぐっときた。

・しょりたんがけんとくんの頬にキス
 →またそういうこと覚えて!しょりたんは!先輩のDVDで勉強しすぎだよ(いいぞもっとやれ)

・しょりたんが「ハングリーでてます」ふまけんが「えびざに出てます」という流れで告知することがないしまりすが出てきて
マ「僕とそうくんは…友達です!」
と言いながらハグ。
その流れで俺らも俺らも、とふまけんがハグ。
俺は誰もいないよーみたいに孤高のセンターしょりたんが言ったらしょりたん挟んでふまけんハグ。
そして最後に5人でむぎゅっとハグ。
→超絶かわいい一連の流れ。

・アンコールで浮かれて二人でカメラに向かってぐっと顔近づけて歌うふまけん
→風磨くんが健人くんの肩抱きながら走っていったりとか、なんだかんだで屈託なく絡まれると素直に微笑ましいよ…まだふまけんにはヲタ狙いの絡みにある程度本人たちの気恥ずかしさを感じるから安心する。

・マリウスがふうまに向かって「めんどくさいね」
→Oh...!

・しょりたんがセクゾンピアノバージョンで「君と一緒に奏でたい…」
→しょりたんは本当に、いつの間にこんなにかっこよくなったんですかね…ぺろでもなんでもないただのオスでした。

・健人「ふうまは何を欲しがってるの?」
 風磨「わかるだろこの付き合いの長さなら」
→地味にこのくだり萌える

・勝利たん岡本カウアンにセンター奪われ「俺のゼロ番が奪われた」という
→なんでしょりたんが自分の立ち位置を「ゼロ」だと自覚してるだけでこうも胸が熱くなるかね…。かっこいい。