大奥見てきた

さっきまで大奥感想の超長文書いてたのに不慮の事故で消えた…!のでさらっとまとめます。
はい!大奥見てきました!感想は!残念ながら60点くらい!
原作との間違い探しをしてあんまり心からキャー!となれなかった損したパターンです。
二回目行ってくる…。

以下、ふんだんにネタバレです。また原作といちいち比べちゃってます…。




役者、キャスティングはとてもよかったのではないかと思います。堀北ちゃんも柴咲コウも玉木さんも原作のキャラの魅力をさらに増幅させるような演技だったのではないかと。柴咲コウの「ばかばかしい男たちだ」と「下がりゃ!」はよかった!!あと、堀北ちゃんのお信の演技すげーかわいかった。原作よりもお信のエピソードが印象的だったんじゃないかなと思います。

でも一番役者の演技に力を感じたのはサダヲでしょう。キャラがシリアスだったからかもなんだけど、サダヲの演技が入ると場が締まる感じがしました。しかも、私この映画の「笑ってください」的なシーンが寒すぎてまったく笑えなかったのですが、サダヲが高笑いするシーンは普通に笑ってしまった。

水野が垣添にキスするシーン。この映画の目玉サービスショットみたいな扱いで「はいはい腐女子たちへのサービスだよぉ〜」という姿勢が透けて見えるのでなんだかな、と思ってたのですが、そんな大事なサービスショットの後に、そのキスまでのやりとりを隣室で聞いてたサダヲ演じる杉下が、杉下らしからぬ高笑いをする。よかったです。原作でもこのシーンてサービスショット的な扱いで、杉下が笑うシーンなんてないのですが、これが入ることによって「男女逆転大奥」の茶番感がより出てました。ていうかあのとき笑ったサダヲは杉下ではなくサダヲだった気がする、という意味ではそこだけ外側からのツッコミが入っている気がしました。

二宮に関しては、確かに「にのみやくん、だいすき!」なテンションならば悶えじねるようなかっこよさ満載だったのですが、私はやはり「乳臭い二宮、ははっ」みたいな愛で方しかできないので、そして原作の水野が本当に男前なんだからそれを演じてかっこいいのは当たり前、ととらえてしまったのであまりそこきゃーってできず。いや、すっごく震えるほどかっこいいのは認めるよ?お信との別れのシーンで視線が揺れるシーンとか相当、やっぱこの人天才だわ!とか思ったよ!吉宗のおシトネの場面の涙目とかも「お家芸でたー!」みたいな気分でしたよ。けども二宮へのダメ出しをさせていただきますと

・もっと原作から離れた水野出してもよかったんじゃないのか
・せめて体を鍛えて欲しかった

以上2点です。原作から離れた水野、というのは、大奥公式ガイドでよしながさんと二宮が対談したときに、うろ覚えなんですけどよしながさんが「二宮くんにはひょうひょうとした魅力がある」「だから原作どおりじゃなくても全然いいと思ったんです」と言っていた気がするんですね。確かに、原作の水野のオットコマエな部分て実は二宮の雰囲気だとちょっと足りなくて、こういうのは長瀬君みたいな人がやるんじゃないかと、原作読んでる人なら誰しも思ったはず。だからこそあえて、ひょうひょうとした二宮の水野を見せてくれるのかと期待してたんですが、あれ、やっぱりチャキチャキした江戸っこ水野やっちゃった?という感じでした。演出の人から言われたかなにか知りませんが。チャキチャキな水野像を優等生的に演じてしまった感じが。江戸っこ役、似合わないわけじゃない。全然。でもなんだか…原作の水野の姿がちらついて、これってちょっと二宮の背格好じゃ力が足りなかったんじゃないか?と思う場面がしばしば。でもこれって私も原作との間違い探しっていう一番いけない見方してたせいで気づけなかっただけかも?なのでこれに関しては2回目でもっと見てみます。

あとは、まぁ濡れ場があったりと何かと肌を見せる場面が多かったのですが…二宮の体が武士にしては貧相すぎるんじゃねーのか、っていう。いや、二宮担としては、ひょろひょろでなまっちろいにもみやが大好物なんですけどここだけは…という感じでした。

この映画に関しては、TBS制作のジャニ映画ってことで仕方のないことかもしれないけど、演出と音楽がいただけなかったなあ…。演出が、特にクライマックスとかちょっと雑じゃないのか?吉宗とのおしとね、もうちょっと長く見せてもよかったと思う。

あと、お信と水野が再会したとき、打首のシーンの回想が挿入されるんだけど、まんま「挿入」なんですよね…説明的なのはわかるけど、なんか吉宗のいいシーンなのにひどくない?もっとうまいやり方あったんじゃないのかな、と思いました。お信との再会シーンを見せきってから、最後に吉宗の見事な決断をバーンと見せて、ラストへ流れるほうがよいのでは?あと、打首のあとに「調べたら、薬問屋のお信という娘が婿をとらなくて両親が困っているそうだから、行ってこい」というセリフは入れるべきだったと思う。吉宗が隠密に何を「調べてこい」と言ったのか伝わりづらかった。これをいれたら吉宗の「粋」さがより出てたと思う。

音楽が一番ひどかったなぁ。なんか大奥の時代が江戸だからって現代アレンジの三味線曲(オサレな和風モダン居酒屋とかでかかってる吉田兄弟とかのアレ)はないな、と…。メインテーマがしっとりしてるので、それと同じようなテイストでそろえるべきなんじゃ…。あと、現代的な打ち込みの曲が入ってきたときはほんと寒気がしました。

あと、鶴岡が自害するのはびっくりでした。

たっちょんにいい役を与えるための脚本変更かな、と思いますが、たっちょん健闘してました。自害のシーンはマジでビビった。その後で武士たる誇りを守ってそれを隠し通す水野。ここは男女逆転大奥のドロドロさと水野の武士っぷりを出すためによいエピソードだったのだと思います。

ただ、大奥総触で水野が笑ってないで、完全に隣の人をかばっただけになってるのはなぁ…まぁ武士としての誇りを忘れないキャラだったからそこまで徹底してたほうがいいのか。

あと吉宗のケチさが出るセリフがほとんど削られてたのもなぁ…でも吉宗はこの映画の中では絶対的なヒロインだから、いいのか…。

だんだんただの愚痴になりつつあるので最後に。ここまでなんやかんや言ってますが漫画原作にありがちな、変な設定変更が入っておらず、最後までヒヤヒヤしながらも安心して終わりを迎えることができたので、そんなに原作レイプ感はなかったんじゃないのかな、と思います。どうしよう、二宮に興味がない原作ファン的には二宮が主演てだけでふざんけんなって言ってるかもだけどw